Illustratorは,数学や理科など,理系科目ではいろいろと授業での応用が見込めると思います。
しかし,導入ワークショップを受講したあと,すぐにIllustratorの基本操作を使いこなすのはなかなか難しいと感じます。
中学や高校で使用することを想定すると,美術の時間の「デザイン」の内容の際に利用するのがよいのではないでしょうか。
デザインの授業の際に,ポスターカラーを使って制作を行いますが,同じパターンを繰り返すようなものを制作する際も,ひたすらポスターカラーで丁寧に塗り込んでいきます。
これはこれでポスターカラーのテクニックを覚えるのに有効ではありますが,「デザインすること」の本質を考えると,Illustratorの「変形の繰り返し」でコピーを繰り返したほうが簡単にできますし,短時間でできる分,多くのデザインに挑戦することも可能です。
また,アイデアや創造性も美術的観点としては重要なのに,初等教育においては,絵の具等の画材を使いこなす能力と両輪できることが求められがちです。もちろん,先生によってはアイデアで評価することもあると思いますが…。
さらに実際のデザインの現場では,下書きやアイデア出しをラフ画で手描きで行うことは多くありますが,実際の制作はIllustratorで行うことがほとんどです。
美術を将来の直接の仕事に繋げる生徒は一部ですが,どんな仕事についても,販促資料のデザインを依頼したり,ポスターの制作を依頼したり,パッケージを依頼したりと,多くの人達は社会に出ると間接的にデザインに関わりますし,その現場でデザイナーの多くは,Illustratorを利用します。
そういう意味でも,美術の「デザイン」の時間にIllustratorに触れるというのは意味があるのではないでしょうか。
そして,覚えた機能を踏まえて,他教科,例えば数学や理科に応用していくという展開が考えられます。